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おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おじいさんは、芝刈りをしているうちにお昼になったので、山の上でおばあさんがこしらえてくれたおむすびを食べることにしました。
おじいさんはウキウキしていました。
「これはばあさんが丹精込めてつくってくれたおむすびじゃ。」
しかし、おじいさんがアーンと大きな口を開けておむすびを食べようとしたとき、おむすびはポロっとおじいさんの手から滑り落ちてしまいました。
すると、ころころ、ころころ。
坂の上だったものですから、おむすびは下へと転がっていきます。加速度aで。
おじいさんは、もう大慌て。すぐに立ち上がっておむすびを追いかけます。加速度aで。
「待て~、わしのおむすび~!!」
おむすびはおじいさんを待つことなく転がっていきます。
そうして、おむすびは坂を下りに下ったあと、山の小川に落っこちてしまいました。
おじいさんはそれを見て急に減速して、なんとか小川の手前で止まりました。おじいさんの腰は悲鳴をあげています。
「ばあさんが作ってくれたおにぎりが…」
おじいさんは年甲斐もなく今にも泣き出しそうです。
そのときでした。
小川の底が金色に光ったかと思うと、それはもう美しい天女が小川から姿を現しました。
おじいさんはたまげたのなんのって。腰が抜けて悲鳴どころの騒ぎではありません。
天女はおじいさんに向かって笑いかけました。
おじいさんはその美しさに思わず顔が年甲斐もなくにやけてしまいました。
よく見れば、天女は両手に何か持っているではありませんか。
天女は言いました。
「この金のおむすびと銀のおむすび、あなたが落としたのはどちらですか。」
おじいさんは、またまたたまげたのなんのって。
天女の両手にはおむすびほどの大きさの金塊と銀塊かあるのですから。
おじいさんは思わず目がくらみました。
「これがあれば、貧しい農民暮らしからもおさらばできる…!」
さっきまで驚いていたおじいさんの表情は、みるみる変わっていきました。
目は恐ろしく鋭く、右の頬がつりあがっています。
それは、まるで悪魔のようです。
こうなるともう止まりません。
おじいさんは、さっきまで腰がぶっ壊れていたのが嘘のように、すばやく天女に向かって駆け出し、飛び上がり、そして天女の持つ金塊銀塊をもぎ取ろうとしました。
「わしのもんじゃぁ!!」
あまり考えたくない絵です。
するとどうでしょう。
天女はスっと透明になるようにして金塊銀塊とともに姿を消し、それはもうものすごい形相で宙を舞っていたおじいさんは、ものすごい形相のままなす術なく川に落ちてしまいました。
ザバーン。
一方、おばあさんが、
「おじいさん、洗濯物多すぎですよ。捨てちゃいましょうか。」
などとつぶやきながら、川で洗濯をしていると、
川上からどんぶらこっこ、どんぶらこっこと、おじいさんが流れてきました。
おばあさんがたまげたのなんのって。
おばあさんはしばらく呆然として、危うくおじいさんをそのまま流すところでした。
「あら、いけない。おじいさん!」
引き上げたおじいさんは、もうすでに冷たくなっていたのです。
「おじいさん…どうして…」
おばあさんは悲しみました。
「食べる口が減っても稼ぎ手がなければどうしようもないじゃないですか。」
聞かなかったことにしましょう。
おばあさんの悲しみはいつまでもいつまでも続きましたが、
おばあさんは、おじいさんのためにも、丁寧に供養してあげようと思い、
なぜだかは分かりませんが、火葬しました。
「今、お墓をつくりますからね、おじいさん。」
おばあさんがおじいさんの骨や灰を持って外に出たときでした。
突然、ビュウと強い風が吹き、おじいさんの灰が巻き上がりました。
おじいさんの灰はそのまま風に運ばれ、生前おじいさんが大切にしていた木にかかったのです。
するとどうでしょう…!
続く?
大変ブラックな内容でお伝えしたため、気分を慨された方もいるでしょう。お詫びしておきます。
高校時代、楽器のパート内の交流を深めるための交換ノートがありまして、
ホルンのノートで以前書いたものに手を加えたのがこの話です。
「続く?」とありますが、交換ノートでは続きませんでした。
続きを考えてあったのですが、あまり面白くないと感じたのでお蔵入り。
思いついたら載せるかもしれません。ご意見・感想のほうはどうぞ。
また、ホルンのノートでは、シリアスな小説チックな話も連載していました。
ときどき、イマジネーションがガァ~って広がるんですよね。
それが少し話題になって、サックスの交換ノートでも別の話を連載開始。
こちらは未完…是非続きを!という声もあって、
オンラインのほうで続きをやろうと思っています。
そちらにはホルンのノートの方も載せようと考えています。
開設にはまだかかりそうです。
開設したらお教えします。
でも、「小説」なんて大それたものではないです。
ただの「お話」と思ってください。
文章も拙いものですし、出版を望んでるわけでもありません。
ただ書きたいから書くだけですので。
その点はご了承ください。
正直俺の新約より面白いなぁ
悔しいっ
この昔話MIXは、高3の演劇テーマに推しましたがあとちょっとで敗れました…
実は昔話MIX、オーボエの交換ノートで別バージョンをすでに書いています。そのうちそちらも…